やまみちです。
黒澤明監督の「羅生門」。私が思う、この映画の魅力は人間のエゴイズムを追求した作品であり、自分自身のエゴイズムについても考えさせられる作品であるという点です。
作品を観て、私が感じたことや映画「羅生門」の凄さ、おもしろさなどをまとめてみました。ぜひ観ていただきたい作品のひとつです。
こんな人におすすめです。
- 人間って、ずるいなと思うことがある
- 人間のエゴイズムに関心がある
- 黒澤明監督のおすすめ映画を知りたい
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黒澤明監督「羅生門」の魅力は「人間のエゴイズムの追求」
黒澤明監督の「羅生門」は人間のエゴイズムを追求した作品であり、それが魅力だと思います。
映画を観終わってから、私は自分自身のエゴイズムについて考えさせられてしまいました。
人間という生き物について、自分自身について、あらためて考えさせられた作品です。
映画の概略
ストーリーについては映画を実際に観ていただければと思うので、あまり触れないようにします。
黒澤明監督の「羅生門」は1950年に公開された88分の映画で、三船敏郎、京マチ子、森雅之などが出演しています。
原作は芥川龍之介の短編小説「藪の中」で、映画タイトルや設定は同じく芥川龍之介の「羅生門」が元になっています。
時は平安時代。
ある武士の遺体が見つかります。その事件の目撃者や関係者が同じ現場にいたにもかかわらず、それぞれ食い違った証言をするのです・・・
盗賊、武士の妻、武士などそれぞれの視点から描かれ、展開していきます。
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映画「羅生門」は1951年にはヴェネツィア国際映画祭でグランプリにあたる金獅子賞を受賞しています。
映画「羅生門」は「あなたはどうですか?」と問うてくる
映画を観ている最中は役者の迫真の演技、映像のきれいさ、迫力に圧倒され、どんどんストーリーに吸いこまれていきました。
そして、映画を観終わってひと息つくと
いろんなことが頭の中をぐるぐるとめぐりはじめました。
映画を観ながら
三船敏郎の野性味あふれる演技。
神秘的ともいえる映像美に魅了されつつ、ストーリーに引き込まれていきました。
そして、登場人物それぞれの異なる証言。
嘘?保身?見栄?さまざまな疑念が交錯しました。
人間という生き物の本質を突き付けられている気がしました。
映画を観終えて
映画を観終わっても、頭の中はすっきりしませんでした。
しばらくいろんなことを考えていると、ふと「自分はどうなのだろう?」と思いました。
映画「羅生門」は、「ところで、あなたはどうですか?」と私に問いを投げかけてきました。
「あなたは保身のために嘘をついたことはありませんか?」
「あなたは見栄のために、嘘をついたことはありませんか?」
嘘の大小はともかく、私にはいくつか心当たりがありました。
私も「羅生門」の登場人物たちと同じではないだろうか?
「ずるい」とか「ひどい」とか思いながら映画を観ていたが、私も似たようなものではないだろうか?
人は他人のことは客観的に見ることができるが、自分のことは見えないものです。
それをあらためて気づかされました。
それでも、保身や見栄などを完全に捨てきることはできないのでしょうが、自分自身を客観的に見ることで少しでも自分を戒めたいと思います。
黒澤明監督のこだわりやエピソード
撮影の裏話として、黒澤明監督のこだわりやエピソードをご紹介します。
必要なシーンを撮るためにできることは何でもやるという印象です。
実際に映画「羅生門」を観た時に、「そうか、このシーンか」と楽しみながら観ていただけたらと思います。
<参考>Wikipediaより
羅生門が煙るほどのどしゃ降り
映画には羅生門が煙るほどのどしゃ降りのシーンがあります。
とても印象的なシーンであり、不気味さすら感じるシーンです。
黒澤明監督はこのシーンを撮るために3台の消防車を出動させて5本のホースを使用したそうです。
完璧などしゃ降りシーンになっています。必要とあらば雨の量さえもコントロールしてしまいます。
そして、さらに雨がバックの曇り空にとけ込まないように水に墨汁を混ぜて降らせたそうです。
なるほど、この印象的などしゃ降りのシーンはこうやってつくられていたのかと感心しました。
三船敏郎への演技指導
劇中、三船敏郎は盗賊の多襄丸という役回りです。
野性味あふれる盗賊を演じさせるために黒澤明監督は三船敏郎にこんな演技指導をします。
黒澤明監督はリハーサル中、三船敏郎に古いアフリカ探検映画を見せ、藪の向こうからライオンがこちらを見ている映像を見せて、「おい三船君、多襄丸はあれだぜ」と指摘したそうです。
黒澤明監督は「人間をアニマルにしようと思った」と述べていました。
ある評論家は「三船敏郎は多襄丸役で、旧来の時代劇の様式化された演技とは全く違う動物的精気のあふれるような本能的な荒々しい動きを見せた」と述べています。
映画「羅生門」の三船敏郎にも注目ください。
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斬新で印象的な映像表現
1950年公開の映画であるにもかかわらず、作品の映像美に魅了されます。
そして、その映像美が映画の印象をより高めているようにも思います。
光と影を巧みに操った映像美。
当時、太陽に直接カメラを向けることはタブーだったにもかかわらず、あえて太陽にカメラを向けて撮影しています。
実際に映画を観ていただければと思いますが、当時としてはとても斬新な技術で映像の美しさを引き出しています。
黒澤明監督は撮影を担当した宮川一夫を「百点だよ。キャメラは百点! 百点以上だ!」と高く評価したそうです。
まとめ
黒澤明監督「羅生門」の魅力についてまとめてみました。
映画「羅生門」は人間のエゴイズムを追求した作品であり、それが魅力だと思っています。
そして、観終わると映画は「ところで、あなたはどうですか?」と私に問いを投げかけてきました。
「人は他人のことは客観的に見ることができるが、自分のことは見えていない」
そんなことにあらためて気づかされた作品でした。
映画の魅力についても記事にしてみました。【映画の魅力】大いなるリフレッシュと疑似体験 よろしければこちらの記事も併せてどうぞ。
<まとめ記事の紹介>
仕事って難しい、肩の力を抜きたい、自分にはリフレッシュが必要だ、もう少し笑って生きたいという方はこちらの「世知辛い世の中だからこそ、笑って生きる」もご覧いただけたら嬉しいです。
私の経験が少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しいです。